「るつぼ」の中の私②。
今日は1日曇り空です。
ここ2,3日はこんな天気が続いている。
梅雨みたいな感じ。
ルームメイトがおすそ分けしてくれた手作りの特大スコーンを食べながら、
salyuなんかを聴きながら、
すっぴんに、ユニクロのルームワンピのまま、
ぼんやりとパソコンの画面に向かっています。
こんな時間が結構好きだったりする。
バイト先のボスの姉さんが厳しく、そして時々とっても意地悪なので、
軽く(いや、かなり)イライラが募っています。
平日に、この姉さんと働く時間が精神的に大変疲れる・・。
だから、こんな風にリラックスできる時間はとても貴重。
バイト中は、小姑ってこんな感じなのかもって思ったりしながら、
姉さんに言われるがまま掃除にも励んでます。
ひそかに自分のことをシンディー(シンデレラ)と呼んで慰めています・・・。
良く言いすぎ?
週末はボスのラビ(ラディじゃなかった・・)と2人で仕事。
金、土曜夜のピタパンの客層は、さらにパワーアップします。
妖艶なメイクにへそピアスのベリーダンサーが、セクシーに踊っていったり。
ピタパンの向かいにあるレズビアンクラブから大量に女の子達が来て、店内が独特なムードになったり。
猫耳のパンク女性(男性?)のダンスはまた長く続き。
そして、全裸(小さいパンツはいてたかな?)のゲイ(愛情をこめてこの呼び方をしています)10人くらいの集団がチャリ2人乗りで叫びながら店の前を横切っていったり・・。
カールや、隣のクレープ屋の店長、フィリピン人の店員は、夜中に来て、店内の音楽のボリュームを最大にして好き放題踊っていく始末。
トロントでもさらに特別なエリア。
また「るつぼ」の中に入ってしまった感が否めない。
そんな様子とはうって変わって、日曜昼間のピタパンは本当に静か。
金、土曜にはじけ疲れた愛すべきハッピーな人達は、日曜はきっと家でおとなしくしているんだろう。
ラビと私。
少ない客をゆっくりと相手にしながら、仕込みも終わってしまうと、レバノンデザートを食べながらお互いの国自慢をしてたりする。
土曜夜に飲みすぎたカールがやってきました。
いつもグリークサラダとフレンチフライのオーダー。
そして彼専用のフレンチフライ用のソースを作る。
ホットソースとマヨネーズとケチャップとツヅキソース(なんかヨーグルトみたいなソース)を、決められた順に混ぜていく・・・順番が違うと味が異なるらしい・・本当か??
「みんなで座って食べようよ、どうせ私以外に客なんていないんだから!」
という彼の言葉で、苦笑いのラビと私とカールは3人イスを並べて道路に向かって座った。
・・・そこへ突然の土砂降り。
チャーチストリートへ向かって完全に店は開けている。窓もドアもなし。
なぜか、
すごく素敵で貴重な時間に思えた。
雲ひとつない快晴ももちろん好きだけれど、こんな曇天のなか、突然降る雨を眺めるのはもっと好きかもしれない。
道路に打ち付ける雨粒の水玉模様を、3人で静かに眺める。
雨に打たれるのが大好きだというラビは、半分ずぶぬれになりながら上機嫌。
カールは二日酔いのぼんやりとした目で、ポテトを満足げに食べている。
「雨粒が落ちるのがスローモーションに見えない?・・・」なんて、うっとりと浸りながら。
私は、激しい雨と、いっきに涼しくなる空気を感じて、ずぶぬれになりながらもゆったりと歩いていく人達を眺めている。
静かな女性シンガーの歌声が店内に流れる。
I will remember you, Will you remember me?...
なんか、完璧な時間に感じた。
・・そんな風に感じる瞬間って、ときどきありませんか?
何か特別なことが起きたわけじゃないけど、
なぜか、「この状況って、すごく満たされてるかも」と思える瞬間。
自分の周りの人達や、景色や、温度や、においや、音楽が全て完璧だと思える瞬間。
そういう風に思ったときは、なるべく文章に残したり、声に出して伝えるようにしています。
だってそんな瞬間って稀にしか起こらないから。
ラビとカールと私。
ばらばらな国から、それぞれの事情でこの街へ来て、たまたまこの小さな店で同じ突然の雨に降られている。
出会いも多いけど、その分別れも多い。いろんな人が出たり入ったり。
「るつぼ」の中で暮らしている人達。
こんな瞬間を私は覚えていられるかな。彼らは覚えていてくれるだろうか。
日曜夕方は少し寂しい。
きっとこのときの3人は一様に少し寂しい表情をしていたに違いない、、なんてぼんやり思ってます。
それでも、そんな完璧な瞬間は一瞬で終わってしまう・・・。
だからこうやっていちいち文章に残しておかないと。
毎日の忙しさの中で忘れてしまうから。
さ、また平日は姉さんの厳しさにも耐えていかなくては。
学校もあと2週間。
プレゼンにテストにばたばたになってしまうかも。
ちょっと満たされた瞬間に浸っているのはほどほどにします。
普段の生活でセンチメンタルになれる時間なんてほんと一瞬。
シンディー、、、頑張りまっす!
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