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2010年4月12日 (月)

ないものねだりな私達

仕事を早く終えて帰宅したものの、テレビをつけても特番ばかりで見る気がおきず、結局こうしてパソコンに向かっている。

土曜の夜は、仕事後どうしても飲みたくなり、相方に2時過ぎまで付き合ってもらった。自分は恵まれているなぁと思う。

気まぐれで、基本、欲望に忠実に動くところは、永遠に治りそうにない気がする。

カクテルを久々に飲みたくなり、大好きなホワイトレディーを何杯か飲んだ。ジンを飲むと森の中にいる感じで(あまり共感はされたことがない)清々しい気分になる。

ただ、調子にのると、大概翌朝に頭痛をひき起こすので気をつけなければけない。

と、今回も改めて実感。いくつになってもなかなか学ぶことができないなぁ。

 

先週は女友達と京都日帰り旅をしてきた。

寒く、風の強い日だったのだけれど、桜吹雪が雪みたいに美しかった。

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京都に行くと毎回食べる生麩料理を頂いて、銀閣寺から哲学の道をずっとぶらぶら歩き、途中で当然お茶休憩をして、大好きな南禅寺を通りぬけて、インクラインの桜並木を、感嘆語満載でまたひたすら歩いた。

河原町で、前から欲しかった風呂敷を買って満足顔になり、先斗町の炭火焼やさんで日本酒片手に語った。

空豆の焼いたのとか、鮭を炙ったのとか、新じゃがの炊いたのとか、そういうのが美味しい。

シンブルな味。

日帰りだけれど、随分リフレッシュできた旅。

やっぱり日常から多少抜け出す時間って不可欠だと思う。

街中そこかしこに咲く桜の木々を眺めていて、本当に日本に帰ってきたんだなぁとつくづく感じた。

日々忙しく、職場と家の往復を繰り返していると、ふとトロントやボストンでの生活を懐かしく思ったりする。

グリークタウンの、粋なおじいちゃんが営むダイナーでのブランチ。

夜中まで飲んではしゃいでのホームパーティー。

バイト先の寿司屋のおっさんの説教。

あまあまのドーナツに、薄すぎるコーヒーのがぶ飲み。

真夏のゲイパレードでした悲惨な日焼け。

ジャマイカポンドの周りを歩きながら眺めた夕日。

今思えば、きらきらと輝く愛しい思い出たち。

でも、あの頃、逆に懐かしく恋しく思っていたものや、景色や、人が、今は手を伸ばせばここにあるんだ。

たとえばこんな桜吹雪とか。

たとえば長い付き合いの友人との他愛もない話とか。

所詮ないものねだりな毎日。

目の前にあるものは当然のように思っているけど、失ってみて、離れてみて、その当然が自分にとっての絶対的なものだったことに気づく。

トロントの友人が、カナダの就労ビザをとることができたらしい。

私が彼女と出会ってから3年が経って、彼女はあのままトロントに住み続けている。一方の私は帰国することを選んで、今はこの日本で当然のように暮らしている。

1年ぐらい前に、私は日本へ帰国することを選択して、彼女は就労ビザを取ることに挑戦することを選択した。

あの頃の私達はお互い先が見えなくて、1年先に自分がどこにいるかもよく分からなかった。帰国することも、そして留まることも、どちらを選ぶことも不安だったように思う。

だけど、彼女は無事就労ビザをとることができたし、私は私で帰国を選択したことに後悔はない。

私達には嫌になるほど、選び続けていく毎日が続く。

その選択が大きければ大きいほどびびるし、不安だし、迷う。

でも一旦決めてしまえば、覚悟を決めれば、そのように進むしかないので、変なプライドも手伝って、選択後に後悔をすることはないように思う。

そして迷ったり、悩んだりしている人の姿はいつも素敵だ。

彼女のトロントでの生活が、私が目の前で見てきたように、これからも素晴らしいものでありますように。

私がもう直接手で触れたり、目で見たり、耳で聴いたりすることのできない懐かしく恋しいものたちを、彼女は肌で感じることができるし、私は彼女が直接手で触れたり、目で見たり、耳で聴いたりすることのできない懐かしく恋しいものたちを肌で感じることができる。

なんでもかんでも持つことはできないから、今目の前にあるものを、自分が選んできたものを大切にしたいと思うけれど、ないものねだりはなかなか止まらない。

シンプルに、今の自分の場所が間違いないと生きていけたら、どんなに楽だろうかと思う。

私はそこまで潔くないけど、いつか彼女と再会したときに、その選択も素敵だったねと思われるような自分でいたい。

ないものねだりの対象になれたら、ちょっとかっこいい気がする。

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インクライン。

線路は続く。

きれー、すごいー。そんな言葉しか出てこなかった。

気持ちとは裏腹になんて平凡な言葉たち。

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