ペルー・センチメンタル・ジャーニー(コルカ渓谷編)
トロントは金曜、土曜と雨らしい。風が強く寒い。
相変わらずのんびりと過ごしている。昨日は友人の家に泊まったのだが、以前はその家の3階に住んでいたこともあり、普通に今も住んでいる感覚に陥った。
ただこれからまたあの極寒がやってくると思うと、やっぱりこれから日本に帰ることはうれしくもある。
旅日記もほぼ終わりに近づいてきた。最初は勢いで書いていたが、結構しんどい・・・でも頑張って終わらせます。
<10月10日>
朝6時前に起きて、アレキパの街を散歩した。屋台で適当にパンと飲み物を買って食べた。菓子パンのチョコレートのおいしさに感動した。朝から感じる小さな幸せ。
ホステルに8時頃バンが迎えに来てくれて、コルカ渓谷への旅が始まった。
他の乗客は15人くらい。もちろんゲイカップルもいる。前にも言ったが、彼らの存在は今やワールドワイドである。そしてなぜか私以外の全員がスペイン語を話せるらしく、ガイドのおっさんはいちいち私のためだけに英語で説明をしてくれるという状況となった。私もスペイン語を理解できたらと、この旅をしていて最も思った瞬間だ。
乗客の中には家族連れもおり、英語と日本語を話す私に、好奇心旺盛な男の子が何かと話しかけようとしてきたり、ちょっかいを出してくる。かわいい。
そしてフランスから一人旅をしているというジェロムと隣同士で座り、彼は英語もスペイン語も話すということでいろいろ他愛もない話をした。大概旅人と会った際は、最初に、どこから来たのか、どのくらい旅を続けるのか、これからどこへ行くのか、などと当たり障りのない話をする。
バンはアレキパを離れ、4000m級の山々を走り抜けていく。そして、この旅で最も標高の高いポイント4900mにて休憩をした。
さすがに、体が少しふわふわする感じがするし、頭痛もある気がする。早速いつものコカティーを飲んだ。ペルーへ来て一体何杯飲んでいるのだろう。
私はこれから先これよりも高いところへ登ることがあるのだろうかと思う。なさそうな気もする。
今夜はコルカ渓谷に程近いチバイという村に宿泊する。
夕食はペルーの民族音楽と踊りの見られるレストランにてとった。観光客向けのレストランだったが、他の観光客ともいろいろ話ができて有意義な時間だった。
私は2度目のアレキパのステーキを食べた。牛肉に近い味だが、少し癖があり、そして全く脂肪分がない。
夜は冷え込む。シャワーの水が生ぬるかったため、さっと浴びて毛布に包まってすぐ眠った。ほぼ毎日眠る場所が違っている。
<10月 11日>
目が覚めて、顔を上げた瞬間に鼻血が大量に出た。
寝ぼけていたし、急であったため、とっさにTシャツでぬぐってしまい、白いTシャツが悲惨な状況に。
排気ガスの影響で粘膜が弱っていたのか、それとも昨日の4900mが効いたのか分からないが、体というのはやっぱり敏感なのだ。おかげで即効目が覚めた。
気をとりなおして、朝食を。ジェロムはすでに穏やかにコーヒーを飲んでいる。フランス人とコーヒー&ブレッドは似合う。ただ、ある本で読んだが、フランス人とイスラエル人の旅行者は常にワースト・バックパッカーにランキングされるそうだ・・日本人はどうなんだろう。
コンドルが活発に活動するのは午前中であるため、6時過ぎには再び全員でバスに乗り込み、展望場所であるクルス・デル・コンドルへ向かった。
コンドルは大きいものでは両翼を伸ばすと3メートル半もあるそうで、時速140kmのスピードで高度6000mを飛ぶことができるらしい。
クルス・デル・コンドルにはすでに何人もの旅行者が息を詰めてコンドルが現れるのを待っている。
ジェロムと腰を下ろしたまま45分程が経過した後、ふいに誰かが、来た!と声を漏らした。
ふと西の方へ目を向けると、一羽のコンドルが音もなくこちらへ向かってくる。翼を一切動かさず、音も一切たてない。私達の座っている所、わずか10mくらいのところまで彼は近づいてきたように思う。両翼を広げてゆうに2mは超えていたと思う。
飛ぶというより、舞うという表現が正しいのかもしれない。風に乗って舞うその姿は悠然としていて、私達はただ見つめ続けた。『コンドルは飛んでいく』は、こんな姿を見ながら作られたんだ。
このコンドルを見るというメインイベントが終了した後は、また軽いトレッキングを挟みながら同じ経路をバスは走り、アレキパへ戻ってきたのは夕方5時くらいだったと思う。
ジェロムや他の観光客とサヨナラをして、私はそのままバスターミナルへ。今夜の寝台バスでリマへ戻る。もう1泊くらいアレキパに滞在しておきたかったが、そうした場合リマからの帰国フライトの時間ぎりぎりになってしまい危ない。
寝台バスの出発が午後10時であったため、ひとまず街へ戻り、一人の夕食、そしてインターネットカフェで時間をつぶす。
2週間にも満たない短い旅がもうすぐ終わろうとしている。
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