ペルー・センチメンタル・ジャーニー(アレキパ編)
<10月9日>
ホステルをチェックアウトし、私はアレキパ行きの、セザールはコパカバーナ(ボリビア)行きのバスチケットをそれぞれ購入し、港の市場でお昼をとった。
ティティカカ湖へ来てから私は魚ばかり食べている気がする。ペルー料理は味付けがわりとシンプルで食べやすい。
あまり食欲のなかったセザールは、残してしまった料理を食堂近くに座り込んでいる子供に与えていた。彼の当然な行動を、私は偉いと思った。そこに偽善的なものは感じられない。
彼はこれからボリビアを南下し、コロイコの動物保護地区で10日間程滞在して帰国するらしい。大学卒業後はヨーロッパのどこかの大学院に行くけれど、その前に半年~1年はアマゾンかニュージーランドでインターンシップをする予定だと言っていた。
彼のこれからの旅に、将来に、他人事ながら興奮して応援する気持ちを抑えることができない。
出会えて、一緒に旅ができてよかった、そしていつかまたどこかで旅をともにするかもしれないねと笑いあって別れた。彼のこれからの旅が良いものであるよう、バスの窓から見える彼の姿を見ながら想った。
そして再び一人に戻った私はペルー第2の都市、アレキパへ向かった。約6時間のバス移動。長距離バスにも本当に慣れたものだと思う。
オリャイタンタンボで出会ったリンダが、「プーノからアレキパへ向かうバスは絶対に昼間にしてね、景色が素晴らしいから!」と薦めてくれたのを、また素直に守り、昼間の移動にしたのだ。
彼女の言うとおり、素晴らしい景色。遥か遠くまで続く山並み、真っ直ぐな道、真っ青な空。
夕暮れも素晴らしく、地平線にだんだんと太陽が落ちていく。その姿をぼんやりとうっとりと眺めていたのだが・・。
それまで調子よく動いていたバスのスピードが徐々に落ちていき、最終的に完全に止まってしまった。
こんな何もないどこかも分からない道の真ん中で。日はほぼ暮れようとしている。
それでも運転手からは何の説明もなく、乗客も多少ざわつくもののそのままぼんやり席に座り続けている。運転手は車をおりて、なにやらエンジンをいじっているようだ。
私の隣りに座っているおじいちゃんが、「よっしゃ、俺が見てくる」とばかりにスペイン語で言い放ちバスを降り、様子を見てきて私にいろいろ説明をしてくれるのだが・・・スペイン語のため全く分からない。でも推察するに、モーターが壊れたけど、多分大丈夫もう少しで直るよ、といったようなことを言っていると思われた。
完全に日が暮れ真っ暗闇になった頃、何の前触れもなくバスが再び動き始めた。空にはまた美しい星空。乗客はまるでなにもなかったように再び眠ったり話しはじめたりしている。隣のおじいちゃんは時々思い出したようにスペイン語でなにやら話しかけてくれる。まぁ無事動いたからいいか、と許せてしまうような時の流れだ。
アレキパの街は白い火山岩の建物で作られており、他の街とはまた異なる景観を持ち美しい。
到着後すぐにホステルを見つけ、さらに翌日からの1泊2日のコルカ渓谷ツアーへ申し込んだ。
コンドルの飛ぶ姿を見たい、と思ったからだ。
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コメント
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
投稿: 添え状の書き方 | 2014年6月 7日 (土) 12時25分