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2008年6月17日 (火)

マグロと私。

月曜午前。

部屋で一人ブログ書いています。

月~水曜のランチは例のなんちゃっての方の日本食レストランで働いていたのですが、

2週間目にして

 

辞めました。

 

オーナーのシフトの入れ方の杜撰さと、キッチンの衛生管理の適当さと、ウェイトレス達への待遇の悪さに、、、切れました、私。

「こんないいかげんなところで働けません」と言って、

辞めました。

・・・おかげでまた昼間暇なんですけど。お金必要なんですけど・・。

でも、、すっきりした!! 

 

生粋の寿司屋のヒロ寿司でのバイトはしっかり続けられそうです。

厳しいけど、理不尽な注意のされ方とかされないし。

オーナーの親父さんも、自分が日本で下積みからずっとやってきた人だから

それだけ自分にも周りの人たちにも厳しいんだって納得できるから。

先週はマリナーズの選手が大勢来ました。

イチローや城島選手が来店していた日は、私はオフだったので会えなかったけれど、そのほかのガイジン選手(いずれも10億円プレイヤーばかりだけど誰が誰かよくわからない・・)には接客をして、、よく食べる食べる、でかいでかい。

そしてシカゴへ行った福留選手も来ました(私はまたしてもオフの日・・・)。

お母さん、福留大好きなのになぁ・・・。会わせてあげたかった。

 

ヒロ寿司でバイトを始めてまだ2週間も経っていないけれど、私はなんだか、あの親父さんが好きです。

というか、間違いなく、あの寿司屋でバイトしている人たちは全員Mだと思う。

それを一人で思って納得して、一人笑いしてしまった。

だって、親父さん、ほんとに口悪すぎるし、こき使いすぎだし。

バイト中は厳しくて、一瞬でもぼけっとできない。

少しでもミスると、「お前はそんなんもできんのか」とか言って怒るし、

相変わらず全て命令形で話すし・・。

でも、ムチ、ムチ、ムチ、ムチ、アメ。くらいの割合で、ときどきアメが来る。

まかないのときには、仕事中の厳しさとはうって変わって

「かおりちゃんは案外仕事早く覚えるし、よく働いてくれるから。アメリカビザやめてうちでずっと働いてくれ。マネージャーにしてやるから。」とか言ってくれる。

そのアメにうれしくなっている私は、結構あの親父さんの作戦にはまってしまっているのかもしれない。

奥さんのことを、照れもせずに

「あんないい女はなかなかいねぇよな・・・・友達だったらもっとよかったけどな。」とか言うのも、笑えるけど素敵だ。

カウンターに座った常連さんにすすめられた冷酒を飲みすぎてしまい、まかない中に眠ってしまったのも笑えた。

それでもカウンターで、姿勢を正してすすめられたお酒を飲み干す姿は粋だった。

昨年亡くなった一人息子のことを少しだけ話す姿がちょっと寂しそうだった。

キューバ旅行をして買ってきた葉巻(闇ルートで安く購入)を、常連客が来るたびに見せてはすすめている光景がなんだかかわいらしい。

180センチの長身に、角刈りに、細い目で、見た目は間違いなくやくざなんだけど。

「独立して25年になるけど、このトロントで、日本の寿司屋を続けてきたことが正しいのかわからないんだなぁ。でも一筋に何かをやってきた奴は、どんなマイナーな場所にいたって、ずっと残っていくって思うんだよな。」と、ぼやく姿には、少し胸がツーンとした。

とにかく、このトロントで出会うかなり稀な人だと思う。

 

そして、バイトしてるメンバーもおもしろい人たちが多い。

中国人だけど日本での滞在が長いので、日本語、英語もほぼ完璧に話せるトリリンガルの(3ヶ国語が話せる)トロント大学の大学生。私よりも日本語のボキャブラリーが多いのではないかと思うこともしばしば。だけど、ときどき日本語が間違ってて、ガリのことをジャリ(砂利?)って言ってしまったりするところがかわいい。

もと日本語教師の関西人。調子にのって15時間とか自転車をこぎ続けてしまう。お尻の皮がむけたらしい・・・Mだ。

神奈川から来たレゲエDJ。「湘南の風と俺は同じコミューンだから。」とか、「おれの住んでるとこ?かなりごきげんなエリアだよ。」とか言う・・・。よく分からんけど笑える。185センチ、100キロの巨体に坊主頭にピアス、タトゥーで、日蓮宗とかのお坊さんみたいっていつも思う。

まだ10代のトロント大学生。日本人だけど、若いうちにトロントに来たからか、丁寧語が全く話せない・・・、常にタメ口。この間は、「財閥」の漢字が分からないっていって聞いてきた。ていうか、「財閥」っていつ使うんだろうか、不明。

そして辞めてもときどき顔を出しにくる、ゲイの兄さん。言葉遣いがばか丁寧で、物腰が柔らかく、とても女性らしい。素敵な奥さんになるだろうな。

 

また新しく出会えた人たち。

その出会いを大切にしよう。

一緒に過ごす時間がたとえ一瞬だとしても

その一瞬が、かけがえのないものになる可能性があることを知ってるから。

思えば、去年の今頃はゲイタウンの真ん中で働いていたなぁ。

あの時の自分は、今の私の状況を想像していなかった。

6月くらいには帰国するって思っていた。

何が起こって、誰に出会えて、何を起こして、誰と出会うのか。

あのとき、あの人と話してから、この決断ができた。

あのとき、あの場所にいたから、あんなに考えることができた。

あのときのあの決断があったから、今の私があるのかも。

誰にでも、何度か、その人にとっての重要な決断や、チャンスが訪れることがあると思う。

その一瞬が落ちてきた瞬間に、あっ!って受け止めることができるといいなぁ。

ためらってたり、気にとめなかったりしてる間に、そんな一瞬を逃していて、

あとで「あ、あの時がその一瞬だったんだ」って、気づくことも何度かあったりして。

だから、どんなことにもいちいち敏感でいたい。

どんな小さな笑いにも、痛みにも、感動にも。

無駄なことなんて何もないって思いたい。

 

金曜夜のバイト帰りに、トリリンガルの彼に「かおりさんはいつも動いてないとだめな人な気がします」って言われました。

あ、、最近のこのブログのコメントで、マグロは動いてないと死んでしまうって書いてあったなぁ。

 

「マグロ女」

 

・・・なんだか全然かわいくない。

ちなみに俗語のほうじゃないですよ。それでも嫌だけど。

ちなみに私の名前は韓国語で

「エイ」らしい。

「エイ女」

これも全然かわいくない。

 

狂犬相方に「私、マグロみたいだって言われた」って言ったら、

「うん、止まるなよ。でも、明日(月曜)は1日休んでね。だって仕事ないんでしょ?」

辞めさせられたんじゃないんです、辞めたんですよ・・・。

 

あっぷあっぷしながら

泳いでいくしかないらしいです。

 

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コメント

シアワセの価値観が研ぎすまされていく感じだね。
あっぷあっぷでも呼吸(体調管理)はしっかりね。


投稿: hirotax | 2008年6月22日 (日) 11時42分

こんちは。昨日今日といろいろあって、かなり精神的にへこんでおります・・・。ちょっと溺れてしまったらしい。

投稿: →hirotax | 2008年6月23日 (月) 00時46分

もう、このブログは運営されてないかもしれないけど、なんか感動したのでコメントしました。
このブログの投稿は今から10年前。なんかすごいなって訳もわからず思ってます。私はいま、トロントにワーホリで来てます。これもいつか過去になるんだと思うと、全部が大切に思えて、一日一日を大切に生きようって思います。日本に帰りたいけど(帰りたいんかい)とりあえずお寿司屋さんの仕事を探します。

投稿: りな | 2018年3月15日 (木) 04時32分

コメントありがとうございます。
10年!も経ったのですね。残念ながらこの記事の中に出てくるどの人達とも連絡は途絶えてしまっていますが、この頃の感情や景色や出会った人々はまだ鮮明に覚えていて、今の私の糧にもなっています。トロントにいつかまた行くことがあるのかなぁ。いろんなことがありすぎて、考えるだけで切なくなる場所です。
今をたのしんで、たくさん悩んで、もがいて、濃い日々をお過ごしください。

投稿: →りな様 | 2018年3月17日 (土) 19時59分

この記事へのコメントは終了しました。

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