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2007年6月27日 (水)

過労の中で思うこと

怒涛の1週間が過ぎました・・・。

学校が終了して息つく間もなく、とうとう恐れていたプライド・ウィークの幕開け。

そう、同性愛者が主役となるこの1週間はトロントの街全体がレインボーカラー(同性愛の象徴)で染まるのです。

普段はチャーチストリートでしか見かけないレインボーの旗が、街のあちこちに。

スーパーにも、銀行にも、市庁舎にも・・・。

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カナダ全土だけではなく、アメリカ、南米からも同性愛者たちが集結してくる。

そしてこのプライド・ウィークの最終日(日曜)を飾るのがプライド・パレード。

オープンでさらに浮かれた同性愛者達が、ド派手な衣装とパフォーマンスで市民の前に現れる。

このパレードは同性愛者差別、性的差別がある社会の中でも、堂々と誇りを持って暮らそう、同性愛への自由と権利への理解を深めようというスローガンを掲げて行われる、きわめて健全で健康的なイベント・・・らしいです。

健全で健康的。

開放的でフレンドリー。

訴える愛と平和。

自由と寛容。

そう、自由で寛容・・・。

  

上半身裸に大蛇をまとった女性。

ブツに靴下のみをつけた男性(完全全裸は一応違法らしいので)。

パレードの山車上で抱擁が盛り上がりすぎてしまっているカップル達。

乱れ飛ぶコンドーム。

ブログ上には決して載せられない場面もしばしば。

・・・あくまで健全で健康的なイベント。みんな笑顔。

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でも、そんなイベントの真ん中で働く私は、、かつてないほど疲労困憊。

パレード参加者、観光客の作る列が途切れることなく続く。

グリルの前は40度以上。

汗が絶え間なく流れ、

昼間から向かいのクラブから鳴り響いてくるベースの大音量で耳が痛くなり、

歩行者天国となった通り全体がクラブ状態。

土曜は午後から働き始め、終わったのは日曜朝5:30・・。

疲れを通り過ぎて軽くハイになりましたけど。

 

あわせて、平日は大家さんの引越し梱包バイトも掛け持ちをしてました。

トロントで指圧クリニックを営む普通のおじさんと思いきや、

彼は結構有名な人らしく、

チェコの大統領夫妻を指圧したり、WHOに指圧(SHIATSU)を認証させたり、、本も出版してたりする。

彼が自宅とクリニックを引越すため、その梱包作業を手伝ったり、忙しい彼の代わりにテナントの人との打ち合わせに立ち会ったり・・。

こちらも自宅の引越しは無事終了。来月はクリニックの引越しが待ってるけど。

 

ということで、、軽くやつれた1週間でした。

まぁ、いい経験になったといえばなった(あくまで前向き)週でもありました。

いろんな人と会ったり、話したり。

 

・・今週はちょっとゆっくりできれば。

私にも健全で健康的な生活を!

そして、世界にはできる限りの愛と平和を。

Love

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2007年6月17日 (日)

酒と泪と父と娘。

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でました、日本酒。

久々に日本へ帰国した大家さんから、長野のお土産に頂いたものです。

一人でもワインやビールは飲むけれど、さすがに日本酒を一人で味わうのはどうなのかと。

・・・ちょっと渋すぎる。

一応嫁入り前の妙齢女性ですし。

 

というわけで、めでたく金曜にビジネス英語スクールを卒業した打ち上げ飲み会に、この日本酒を持参しました。

クラスメートの家に酒類やつまみを持ち寄ってのパーティー。

ビール、カクテル、日本酒、韓国焼酎、ウイスキー、ワインと入り乱れました・・・。

この3ヶ月は久々に学生気分を思い出すような若い日々だったように思います。

テスト前クラスメートと図書館で勉強したり。

プレゼンの準備で夜遅くまでパソコンに向かってみたり。

クラスメートの恋愛相談にのってみたり(最終的には「姉さん」呼ばわりだったけど・・)。

無事全て終了して、ディプロマを獲得できました。

日本酒も好評でよかったよかった。

 

 

・・・飲み始める前に、ふと、成人式に(何年前だ!?)父からかけられた一言を思い出しました。

 

「もう20歳か。ひやはやめとけよ、あとでくるから。」

 

以上。

きれいだね。とか、おめでとう。とか、そんな言葉は一切無し。

 

これが20歳を迎えて、華やかな着物に身を包んだ娘にかける言葉か・・・とそのときは思いましたが。

一応この父の言葉通り日本酒はできるだけ熱燗かぬる燗で飲むようにしてましたよ。

でも頂いた日本酒はひやで飲むのがオススメとのことだったので、父の言葉を無視し、ひやで頂きました。

うまかった。

そして、あとできました・・。

ひやだとやっぱり飲みやすいから調子にのって飲んでしまうのでしょうね。

気づいたときには、ハッピーになってました。

 

父は一言で言えば、変わった人です。

今まで出会ってきた男性が大概普通でジェントルに見えてしまうのは、この父のせい(おかげ?)かもしれない。

とりあえず全ての娯楽を愛し、

人に雇われることができず、

口下手で不器用で、

大概そっけなく冷たく、

でも多分ほんとは少し繊細で優しいところもあるのかも、、と思える部分のある人。

私が子供の頃には、よく捨てられた猫や犬やカラス(!)をひたすら拾ってきたあげく、世話は祖母や母親に任せてしまっていた。

日本のサンタになるとか言って、一時期ひたすら髭を伸ばそうとしていた。

「付き合い」という言葉が武器。

父親参観の木材工作(「乗り物を作りましょう」がテーマ)では、周りの「パパ」が素敵な車や列車や、バイクを子供たちと作る中、

「トラックヒコーキ」

というあり得ない乗り物を一人で黙々と作って、「いいだろう、これ」・・・。その自慢げな顔を、幼稚園児だった私はまだ忘れられない。

そんな乗り物、あれから四半世紀程経った今だって走っていない。

・・・書いていたらとまらなくなりそうなので、これ以上は止めておきます。彼のプライバシーにも関わることなので。

 

私の周りの女友達の中には、父親と2人で買い物や食事にでかけたり、いろんな相談事をする子達もいるようですが、

私にとって、そんな状況はあり得ない。

スマートで、優しくて、おちゃめなパパにどれだけ憧れたことか。

 

でも「パパ」でなかった分、かえってほんの小さなやりとりが強烈に頭に残っていることもある。

そして、それはいつも別れ際に訪れる。

 

一つは、私が初めて海外への1ヶ月ホームステイに出発した日。

父の運転で空港に到着。

いろいろ心配して話しかけてくる母親とは対照的に一言も話さない父。

空港へ到着しても車から降りることなく、私の方を見ることもなく、

「これ、持っていけば?」

以上。

気をつけて。とか、頑張れよ。とかいう言葉は一切無し。

安全運転のお守りを(車についていたものをその場で外して・・)手渡されました。

どんな効果が期待されるのだろうか・・・。

でも、その瞬間にすごく家族と離れるのが寂しい気持ちになったのはなぜなんだろう。

そしてちょっとうれしかった。

 

もう一つは今回の別れ。

玄関先で別れを惜しんでくれた母親、妹達とは対照的に、家から一歩も出ない父。

さよならが上手く言えない不器用な父親、そしてその血を間違いなくひいている私。

リビングから出てこようとしない父の顔を見ることなく、玄関から、「じゃ、行ってきます」と声をかけた。

「おお。気をつけて・・・

以上。

電話してこいよ。とか、頑張れよ。とかいう言葉は一切無し。

でも、その返事を聞いた瞬間、泪が止まらなくなってしまったのはなぜなんだろう。

 

私にとっての父娘の関係は少し不思議なものがある。

生まれてきてから一番身近にいるはずの男性なのに。

まるで友達のようになんでも言い合えるような母との関係とは違う。

 

せっかく仲良くなったクラスメート達のほとんどが7月に母国へ帰ってしまう。

考えるだけで軽くホームシックになってしまっている私。

私はうまく笑って別れの挨拶ができるのかな。

きっと、、無理なんだろうな。

不器用な父の血をひく、不器用な娘ですから。

どれだけ否定しようとしても、抗ってみても、間違いなく私は父親に似ている部分がある。

ほんの少しだけ、理解できるところもあるのかもしれない。

  

・・・父の日ですね。

私にもいつか、未来の息子か娘が成人して、

「ひやはやめときなよ、あとでくるから」って言う瞬間がくるのかもしれない。

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2007年6月 6日 (水)

「るつぼ」の中の私②。

今日は1日曇り空です。

ここ2,3日はこんな天気が続いている。

梅雨みたいな感じ。

ルームメイトがおすそ分けしてくれた手作りの特大スコーンを食べながら、

salyuなんかを聴きながら、

すっぴんに、ユニクロのルームワンピのまま、

ぼんやりとパソコンの画面に向かっています。

こんな時間が結構好きだったりする。

 

バイト先のボスの姉さんが厳しく、そして時々とっても意地悪なので、

軽く(いや、かなり)イライラが募っています。

平日に、この姉さんと働く時間が精神的に大変疲れる・・。

だから、こんな風にリラックスできる時間はとても貴重。

バイト中は、小姑ってこんな感じなのかもって思ったりしながら、

姉さんに言われるがまま掃除にも励んでます。

ひそかに自分のことをシンディー(シンデレラ)と呼んで慰めています・・・。

良く言いすぎ?

 

週末はボスのラビ(ラディじゃなかった・・)と2人で仕事。

金、土曜夜のピタパンの客層は、さらにパワーアップします。

妖艶なメイクにへそピアスのベリーダンサーが、セクシーに踊っていったり。

ピタパンの向かいにあるレズビアンクラブから大量に女の子達が来て、店内が独特なムードになったり。

猫耳のパンク女性(男性?)のダンスはまた長く続き。

そして、全裸(小さいパンツはいてたかな?)のゲイ(愛情をこめてこの呼び方をしています)10人くらいの集団がチャリ2人乗りで叫びながら店の前を横切っていったり・・。

カールや、隣のクレープ屋の店長、フィリピン人の店員は、夜中に来て、店内の音楽のボリュームを最大にして好き放題踊っていく始末。

トロントでもさらに特別なエリア。

また「るつぼ」の中に入ってしまった感が否めない。

 

そんな様子とはうって変わって、日曜昼間のピタパンは本当に静か。

金、土曜にはじけ疲れた愛すべきハッピーな人達は、日曜はきっと家でおとなしくしているんだろう。

ラビと私。

少ない客をゆっくりと相手にしながら、仕込みも終わってしまうと、レバノンデザートを食べながらお互いの国自慢をしてたりする。

土曜夜に飲みすぎたカールがやってきました。

いつもグリークサラダとフレンチフライのオーダー。

そして彼専用のフレンチフライ用のソースを作る。

ホットソースとマヨネーズとケチャップとツヅキソース(なんかヨーグルトみたいなソース)を、決められた順に混ぜていく・・・順番が違うと味が異なるらしい・・本当か??

「みんなで座って食べようよ、どうせ私以外に客なんていないんだから!」

という彼の言葉で、苦笑いのラビと私とカールは3人イスを並べて道路に向かって座った。

 

・・・そこへ突然の土砂降り。

チャーチストリートへ向かって完全に店は開けている。窓もドアもなし。

 

なぜか、

すごく素敵で貴重な時間に思えた。

雲ひとつない快晴ももちろん好きだけれど、こんな曇天のなか、突然降る雨を眺めるのはもっと好きかもしれない。

道路に打ち付ける雨粒の水玉模様を、3人で静かに眺める。

雨に打たれるのが大好きだというラビは、半分ずぶぬれになりながら上機嫌。

カールは二日酔いのぼんやりとした目で、ポテトを満足げに食べている。

「雨粒が落ちるのがスローモーションに見えない?・・・」なんて、うっとりと浸りながら。

私は、激しい雨と、いっきに涼しくなる空気を感じて、ずぶぬれになりながらもゆったりと歩いていく人達を眺めている。

静かな女性シンガーの歌声が店内に流れる。

I will remember you, Will you remember me?...

 

なんか、完璧な時間に感じた。

 

・・そんな風に感じる瞬間って、ときどきありませんか?

何か特別なことが起きたわけじゃないけど、

なぜか、「この状況って、すごく満たされてるかも」と思える瞬間。

自分の周りの人達や、景色や、温度や、においや、音楽が全て完璧だと思える瞬間。

そういう風に思ったときは、なるべく文章に残したり、声に出して伝えるようにしています。

だってそんな瞬間って稀にしか起こらないから。 

 

ラビとカールと私。

ばらばらな国から、それぞれの事情でこの街へ来て、たまたまこの小さな店で同じ突然の雨に降られている。

出会いも多いけど、その分別れも多い。いろんな人が出たり入ったり。

「るつぼ」の中で暮らしている人達。

こんな瞬間を私は覚えていられるかな。彼らは覚えていてくれるだろうか。

 

日曜夕方は少し寂しい。

きっとこのときの3人は一様に少し寂しい表情をしていたに違いない、、なんてぼんやり思ってます。

それでも、そんな完璧な瞬間は一瞬で終わってしまう・・・。

だからこうやっていちいち文章に残しておかないと。

毎日の忙しさの中で忘れてしまうから。

 

さ、また平日は姉さんの厳しさにも耐えていかなくては。

学校もあと2週間。

プレゼンにテストにばたばたになってしまうかも。

ちょっと満たされた瞬間に浸っているのはほどほどにします。

普段の生活でセンチメンタルになれる時間なんてほんと一瞬。

シンディー、、、頑張りまっす!

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