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2007年5月26日 (土)

「そういうものに わたしはなりたい」

バイトの旅行記事の締め切りが迫っているにもかかわらず、なぜかブログの更新を先にしております。

この「締め切り」という言葉に脅かされる日々が隔週訪れるかと思うと、かなり気が重い・・。

    

母からのメール。

とうとう祖父に携帯電話をプレゼントしたそうです。

父の日も近いということで。

80歳間近の祖父。

無事、携帯を使いこなせるのか疑問です。

      

「尊敬している人は誰ですか?」という問いに、昔はうまく答えられなかった。

でも、今は、きっと迷わず、「祖父です」、と答える。

祖父は農家に生まれ、尋常小学校を卒業後はすぐに家業を手伝い、戦争を経験し、家族を作り、戦後の高度成長期に必死で働き、そして今は多くの孫に囲まれた、質素で平凡な男性です。 

 

読書を好み、私が幼いときは、しょっちゅう昔話や神話を聞かせてくれた。

家にいないと思うと、近くの畑に座って読書をしている。

食事は絶対に残さない。

毎日仏壇にお経を唱え、献花もかかさず墓参りをする。

俳句、短歌の会を開催し、日々の生活をうたっている。

彼の口癖は、

「何事もほどほどが一番。頑張りすぎちゃいけない。」

誰よりも頑張って生きてきた人が言う言葉だから重みがあるのだと思う。

 

私が同じく尊敬する祖母が2年前に癌で亡くなった。

働き者で、我慢強く、いわゆる古き良き時代の象徴のような祖母は、癌が末期になるまで周りに体の不調を知らせなかった。

祖父は入院した祖母を毎日見舞い、身の回り全ての世話をし、休んだほうがいいという私たちの言葉にも耳を傾けなかった。

祖父は、

「今、彼女の世話をすることが僕の生きがいだから。」と笑って言った。

祖母が亡くなったときも、

「おばあちゃんはしっかり者で、僕のようにのんびりは生きていない。我慢して頑張りすぎてしまった。何事もほどほどが一番、僕みたいにね。」と言って、また笑った。

 

世界の貧困に目を向けたり、地球温暖化を憂いてみたり。

人種差別を非難したり、テロ撲滅を唱えてみたり。

そんな大きなことの前に、目の前の家族を大切にすることが一番なのかな、と気づかせてくれるのは、祖父のいつものこうした一言です。

自分の家族を幸せにできない人に、日本も世界も幸せにはできないだろう、という気持ちになったりする。

 

そういえば、尊敬する祖父母を表しているかのような有名な詩があったっけ。

 

「雨ニモマケズ 風ニモマケズ

雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫な体を持ち

欲はなく 決して怒らず

いつも静かに笑っている

一日に玄米4合と味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを 自分を勘定に入れずに

よく見聞きしわかり

そして忘れず

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ほめられもせず

苦にもされず

そういうものに わたしはなりたい」

 

明日は祖母の2周忌。でこぼこな生き方をしてる私を心配して見守っててくれるかな。

母からのメールで少し感傷的になってしまいました。

 

はっ、締め切りが近かったんだ。

私はまだまだ「ほどほどでいい」なんて状況にはなれない。最大限でやっていくしかない・・・。目の前の生活をしていくので精一杯。

派手な生活にも憧れるし、いろんな国にも行ってみたい、まだたくさんの人とも出会いたい。お金だってほしいし、素敵な仕事にもつきたい、お洒落なレストランで食事をしたい。

でも、いつか、祖父のように、祖母のようになりたいと思う。家族を作って、幸せにする。

シンプルだけど、すごく大切なこと。それをやり遂げた人達。

そういうものに わたしもなりたい

と、思うのです。

では、、シンプルに、とりあえず原稿書きに励みます・・。

 

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2007年5月16日 (水)

「るつぼ」の中の私。

周りにネガティブさをぶちまけたあげく、やっとバイトが決まりました・・・。

心配をしてくれたり、励ましてくれた私の周りの大切な方々、ありがとう。

  

そして早速働き始めてます。

ピタの店です。

ピタとは中東のパンで(ピタパンとも言うらしい)、チキン、ポーク、野菜などの具を載せて丸めて食べるものです。

店名はそのままにPITA PAN。

レバノン人の姉弟によって経営されてる店です。

弟のラディが店長として常に店で働き、姉のサナはよく店を手伝いにきてます。

アラビア語が時折飛び交い、私との会話は英語、そして挨拶はフランス語だったりする。

私はアラビア語もフランス語も挨拶程度しかわからないのだけれど・・。

ラディは、笑顔とウインクのかわいい(年上だけど・・・)、チャーミングなボスで、働き始めるときも、「小さな店だからみんな家族と思って接してくれればいいからね」といって、私の緊張をすぐに解きほぐしてくれました。「Don't worry」が口癖。

姉のサナはしっかりしていて、多少厳しい・・。「You know what I mean?」が口癖。やたら繰り返すので、ちょっと嫌気もさすけど、ちゃきちゃきした姉さん。ほら、いつでも女性は女性に厳しい・・、これは万国共通。

私の他にもう一人スタッフがいて、彼女はガイアナからの移民。彼女の英語は、、、聞き取りにくい。何語訛りなんだ?でも長くこの店で働いてるらしくなんでも知っていて、ボスにも文句をばんばん言うおもしろいおばちゃんです。

小さい店なので、厨房、ピタ作り、接客、全てをこなさなきゃいけない!

                                                        

で、場所ですが・・・。

CHURCH X WELLESLEYという交差点に位置しております。

   

そう、トロントに住む人なら誰もが知っている、

                                                         

ゲイタウンの中心。

   

客の90%がゲイ、レズビアンの方々です(ボスの統計に基づく)。

お客さんが本当に”興味深い”人達ばかりで、、飽きない。                       

まだ4日しか働いていないけど、店には常にそんな興味深い人達が出入りしている。

               

猫耳のへアーバンドをつけたパンクな女性が来て、無表情のままオーダーをして、ピタができあがるまでずっとさらに無表情に不可解なダンスをしてたり。真昼間に。ボスも私も敢えて何もつっこまず。

ものすごく美人でモデルのような女性客に感動していたら、実は男性だったり。ボスはすでに誰が来ても本当はどっちの性かの見分けがつくようになったらしい。

ボスの姉さんの子供たちが来て、厨房でひたすら歌ったり踊ったりしていたり。人形みたいでかわいいけど、途中から多少じゃまだった・・。

毎日来るボスのゲイの友達カールにはなぜか好かれて、来るたびにハイタッチしたみたり。ゲイでいるのはもったいないくらいおしゃれで男前なのに。今日はシャキーラにあわせて店内でかなりセクシーなダンスをしてたな・・。のりのりです。周りの目一切関係なし。夏にはココナッツオイルをたっぷり塗ってビーチで焼くらしい。誘われたけど、、ほんと無理なので・・。

         

トロントは本当に「人種のるつぼ」といわれる街で、様々な人種、言語、宗教が入り交ざって成り立っているところだけれど、この店の周りは、さらに性別も入り交ざっている。

ぱっと見ただけでは、どこの国から来たのか、何が母国語なのか、男性なのか、女性なのか、全くわからない。

 

不思議な感覚。

飛び込んでしまった感じ。

私はきっと、るつぼの中の、またその中にいる。

でも、それを楽しんでいる私がいる。

久々のバイトに軽く筋肉痛になったりして(なぜ?)疲れるけれど、やっぱり新しいことをして、いろんな人に会うのは、単純に楽しい。

この(日本に住んでいる時からしてみれば)異常な(?)状況にも笑える。

  

今日もカールはこう言って去っていった。

I'm a happy person, Life is short, life is fun!!... I love you guys!

・・・彼(彼女?)もきっと、へこむことはあるんだろうな。

でもひたすらに明るい。

                                                       

ひたすらに迷ったって、へこんだって、泣いたって、負けたって、毎日は過ぎていく。

だったら少しでも笑ってみたほうがいいのかも。

るつぼの中心にいるだろう私。

今日、私の笑顔は素敵だとほめられた。

カナダのおじさんにも好かれるんだって思ったら、

「女性だよ、見た目は男だけどね」ってボスからの指摘。

 

・・・まだまだです。見る目を鍛えます。

 

  

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2007年5月 9日 (水)

ネガティブ。のち多少前向き。

久々の更新となりました。

私は、、この2週間ほどはネガティブさが増しに増して、私のネガティブすぎる発言に周りの友人達は逆にうけていました。

「Nobody wants me・・・」 

 

・・・バイトが見つからない。

学校も、新しい家での生活にも慣れて、あとはバイト探し!とはりきって履歴書を配ってみたものの、面接をしてくれるという連絡が全くなし。

日本料理屋さんでもバイト募集はあるのだけれど、どうせならカナディアンのカフェかレストランで働きたいと店を選んでいたからいけないのか、なかなか見つからず、ひたすらダウンタウン周辺を歩いて、履歴書を配る日々。

あるカフェでは面接を受けて合格したものの、その後の返事がなし。

ボスに確認の電話をしたら、「スタッフが多くて今スケジュールを作成しているところだから、また連絡するよ」、といわれたまま連絡が来ず、すでに1週間以上が過ぎている・・。

求人募集していない店にもとりあえず履歴書を渡してきてみたり。

電話で履歴書を見てくれたのか催促してみたり。

それでも返事は来ない・・・。

家計が厳しいのに、時間はあるため出かけてしまい、浪費してしまう、という悪循環。

ちょっと焦らず落ち着こうと思って、一人ワインを飲んで、お気に入りの映画に号泣していたら、クラスメートからの電話で「Alcoholic??」と疑われる始末。

私のどこが悪いのか?と周りに開き直る痛々しい状況。

                                                                                  

・・というわけでへこんでいたのですが、ネガティブネガティブな私をみかねた友人が週末リフレッシュに誘ってくれました。

ビーチエリアや、家周辺のサイクリングロードをぶらぶら散歩。思った以上にすっきり(単純なんです)。

Pict1157

 

加えて、日本の良き理解者からの電話で「なに選んでんの?そんな立場じゃないやん。なんでもいいからあたってみて働けよ・・」と一喝されて・・。久々に誰かに怒られた。

目が覚めました。

その通り。

もう一度、募集のあるお店を片っ端からあたってみよう、とちょっと前向きに。

 

それが良かったのか、つい先日ちょっとしたバイトが見つかりました。

レストランでも、カフェでもなく。

             

「旅行ライター」。

 

トロントに住む日本人向け情報誌(bitsといいます)のトラベル欄のライター募集にも、とりあえず応募していて、サンプル記事を書いて送ったところ、採用とのこと。

隔週発行のため、月2本ずつ原稿を書いていくということです。1面全てなので結構スペースがあるんです・・。

このブログを読んで下さっている方々は、果たしてこの私の文章力が通用するのか?と心配されるでしょうが、もっとまともに書いていくつもりですので。

サンプル記事には私の愛するタイを選んだのだけれど、これから夏に向かうトロントに住む人たちに、もっと暑いタイの記事を書いてもあまり魅力的ではない、ということで却下されました・・。冬に掲載するから、とのこと。

なるほど。ただ書きたい場所を書くだけじゃだめだということです。

季節、イベント、流行などを考えて場所を決めないといけないということらしいです。

行ったことのない場所も書かなきゃいけないこともあるようです。

記事に使う写真も自分で政府観光局などを通して入手しなきゃいけないようです。

締め切りにも追われることになるのか??

しかも給料は月の食費くらいにしかならないため、どのみち他にもバイトをしないと生活していけない。 

 

・・・なんか割に合わないのでは!?

 

でも旅行ライターには興味があったし、自分の経験も生かせるだろうし、小遣い稼ぎに頑張ります(といいつつ、ものすごくストレスになる気もする・・)。満足いく仕事をしていくのみです。謙虚になります。

6月発行のものから私の記事が載るはずです。締め切りに間に合えば・・。

                                                               

というわけで、ここ最近の私の気分の浮き沈みを述べてみました。

というか、まだ持ち直してきたところだけれど。

とりあえず引き続きバイト探しがんばります。

Wish me luck!! 

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